NO3:PO4-X導入事例 ニッソーアクリルタンク編

今回はニッソーアクリルタンク海水水槽に、
NO3:PO4-Xを導入した際の一事例データを、
硝酸塩、リン酸塩の数値変動と生体の変化を交えてご紹介しようと思います。

ニッソーアクリルタンク スポッテッドマンダリンペア

 

まず最初に簡単なタンクデータを。

 

・ニッソーアクリルタンク(総水量14L 実質水量9.5Lぐらい)
・ろ過システム (背面ろ過 純正ろ材 + エーハイムメック150g)
・殺菌灯無し
・自作小型プロテインスキマー

 

10L足らずの小型水槽に
スポッテッドマンダリンのペア、ヤドカリ、苔取貝、
ソフトコーラルが少々と海藻。

正直かなりの過密水槽になってます。

 

NO3:PO4-X導入前の栄養塩値は、
硝酸塩32ppm リン酸塩1.36ppm

上記の状態から添加を始めました。

 

1日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 32ppm リン酸塩 1.36ppm

メインタンクは規定量の半分から始めましたが、
アクリルタンクは栄養塩が高いこと、殺菌灯が付いていないこと、
水質に敏感なサンゴは入れていないことなどを考慮して、
1日目から規定量を添加する事にしました。

5日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 36ppm リン酸塩 1.36ppm

5日間規定量を添加し続けましたが生体にこれといった異変はありません。
しかし硝酸塩は4ppm上昇、リン酸塩は変化がありませんでした。

殺菌灯を付けていないのでもう少し下がるかとおもいましたが、
規定量を添加しても硝酸塩が上がっています。

総水量も少なくバクテリアの絶対数も少ない小型水槽ですので
流石に過密飼育過ぎるのかな?

一つ感じた変化はアクリル面にコペポーダが大量発生していたことです。

アクリル面に付着したコペポーダ

立ち上げ初期はよく見かけたコペポーダですが、
スポッテッドマンダリンをペア化させてからは殆ど見かけなくなっていました。
食いつくされていたのかと思っていましたが残っていたようです。

炭素源添加の効果によるものか、単に時期的な問題なのか、
今になってコペポーダが大量に発生した原因は良く分かりません。

スポッテッドマンダリン

イソスジエビ達が喜んでパク付いていましたし、
マンダリンたちも興味しんしんで見つめていましたが、
水槽導入時に比べるとそれほど食べませんね?

2匹とも活イトメと粒餌に餌付いているから、
お腹いっぱいなのかもしれないです。

しかし食いだめが出来ない典型的なプランクトンフィーダーにとって、
コペポーダは願ってもない常備おやつ。 もっと増えてほしい^^

この日は4L換水を行いました。

8日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 32ppm リン酸塩 1.19ppm

規定量添加を続けて8日目。
ようやく少し数値が下がってきました。

過密の超小型水槽は中々下がりませんね~。
毎日の給餌量が多すぎて処理が追い付いていないんでしょう。

10日目

NO3:PO4-X 0.4ml添加
硝酸塩 16ppm リン酸塩 0.85ppm

9日目からNO3:PO4-Xを規定量の1.3倍に変更してみた所、
急に数値が下がり始めました。
硝酸塩が2日間で半分になり、リン酸塩も1ppmを切りました。

この日は月に1回のウールマット交換と換水4Lを行いました。
ウールマットが普段より汚れていない事に気づきました。

12日目

NO3:PO4-X 0.4ml添加
硝酸塩、リン酸塩共に測定せず。

炭素源添加から約2時間後、
スポッテッドマンダリンの2匹が異常なスピードでエラを動かし、
じっとしながらパクパクしているのを発見。

酸欠? やばそうな雰囲気。

エアリフトスキマーの水上位置を高くしてエアレーションを強化すると、
マンダリンたちの異常なパクパクは30分ほどで収まりました。

規定量の1.3倍は小型水槽にはきつかったか。

1.3倍の添加を4日間続けていましたが、
この状態を見て規定量に戻す事にしました。

生体を死なせてしまったら本末転倒。
数値だけを追いすぎて結果を焦っちゃ駄目ですね。

13日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 16ppm リン酸塩 1.36ppm

この日から規定量に戻したので数値を測定してみましたが、
硝酸塩は横ばい、リン酸塩は1.36まで上昇していました。

リスクを冒して1.3倍にしていた意味があまりなかったような気が(汗
というか、ウールマット交換前後に添加量を増やしたのが失敗だったかも。

・・・うーんやっぱり過密過ぎるのかな?

しかしスキマー内は急速に汚れてきました。

自作スキマーのが撮った汚水

汚水も非常に濃い茶色に変化しています。

バクテリアは確実に増えてきている事を実感。
焦らずじっくり行く事にしました。

16日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 12ppm リン酸塩 1.02ppm

1週間横ばいだった硝酸塩とリン酸塩が下がり始めました。

規定量で栄養塩が下がらなくても上昇していない様なら、
暫く様子を見てみた方が良さそうですね。

測定後に換水4Lを行いました。

23日目

NO3:PO4-X 0.3ml添加
硝酸塩 10ppm リン酸塩 1.02ppm

硝酸塩、リン酸塩共に同じ数値をずっとキープ。
前日に換水4Lを行った関係かこの日は10まで下がっていました。

5日目に発生したコペポーダはその後ずっと消えていません。
日を追うごとにアクリル面に付着したコペが増えている様な。
プランクトンリッチな環境になりつつあるようです。

 

NO3:PO4-X導入事例 ニッソーアクリルタンク編 まとめ

 

その後も毎日、規定量の添加を続けていますが、
硝酸塩は8ppm~12ppm
リン酸塩は0.85~1.02ppmの間を推移しています。

 

添加前は硝酸塩32ppm、リン酸塩は1.36ppmでしたから、
随分下がりましたね^^

 

メインタンクの30cmキューブハイ水槽との環境の違いは、
殺菌灯の有無と総水量ですが、
アクリルタンクはろ材と底砂を一切触らずガス抜きを行っていません。

 

設備とメンテナンス方法が数値に表れているのかな?と感じます。

 

殺菌灯がないので硝酸塩は大幅に下がっていますが、
底砂のガス抜きとろ材の洗浄を行っていない分、
メインタンクに比べるとリン酸塩は下がっていない。

 

そんな感じかな~?と。

 

アクリルタンクは月1でウールマットを交換しているんですけど、
ウールマット交換直後は硝酸塩が下がり、リン酸塩が上がります。

ウールマットにもバクテリアが住み着いて硝酸塩工場になっているんでしょう。

数日経つとリン酸塩も下がってくるので、
交換したウールマットに新しいバクテリアが増えて、
リン酸塩を吸着しているのかな?と感じます。

 

プロテインスキマーは自作の簡易型エアリフトなので、
汚れやバクテリアの除去能力が足りてないんでしょうね。

今のところ強力なスキマーに交換する気はないですけど。

 

いずれにしても10Lに満たない水槽で、
魚2匹にヤドカリ、エビ、苔取り貝、ソフトコーラルを収納して、
週1の換水で硝酸塩10前後をキープ出来るようになったのですから上出来です。

 

スポッテッドマンダリンのオス

 

スポッテッドマンダリンのオス、おんちゃんは、
第一背びれの突起が伸びて立派になってきました。

 

水槽に湧いたコペポーダをパクパク食べて、
冷凍餌もモリモリ食べる為か、
オレンジとイエローの発色が良くなってきましたね。

 

スポッテッドマンダリンのメス

 

先住のメス、のんちゃんは、
相変わらずロリサイズで可愛いですw

 

この子はおんちゃんと違って甲殻類はそれほど好みじゃないようで、
冷凍餌はホワイトシュリンプもブラインも殆ど食べません。

 

コペポーダはおやつにツンツン食べているんですが、
活きイトメとメガバイトグリーンが主食です。

 

そのせいなのかグリーンとブルーの発色が強く出ています。
家に来た時からそうだったので元々の個体差もあるんでしょうけどね。

 

スポッテッドマンダリンのメス

 

これは炭素源添加を始めた頃に撮った写真。
この頃に比べるとオレンジとブルーのリングがはっきりしてきたかな。

 

元々このアクリルタンクは、
暴君と化したヤドカリと、
増えたソフトコーラルの退避場所として立ち上げた物でした。

 

・・・誰ですか?
水量少ないから魚は入れないって言っていたのは?

 

気がつけばスポッテッドマンダリンが主役の水槽になっているじゃないかw

 

でもまぁ良い生体と出会えるかは運とタイミングですしね。
結果オーライと考えることにします。

 

今年の春を迎えられれば飼育1年。
2匹とも長生きしてほしい物です。

 

NO3:PO4-Xを導入したことで、
10L未満の小型水槽に魚を2匹入れて餌をバンバン与えていても、
硝酸塩は20ほど減少して10前後をキープ出来るようになりました。

 

小型水槽でも硝酸塩は問題なく下がりますけど、
リン酸塩は強力なスキマーを入れて増えたバクテリアを除去したり、
ろ材や底砂のメンテを定期的に行なって、
リン酸塩を吸着したバクテリアを外に出す仕組みを考えないと無理っぽいですね。

 

ちなみに炭素源をエネルギーとするのはろ過バクテリアだけではないようです。

家では全く問題が起きませんでしたが、
ビブリオなどの細菌の活力にもなるようですから、
良かれと思って添加した結果、病気のトリガーになるケースもあるようです。

海中火山の発する熱をエネルギーにしている生物もいるぐらいですからね~。

炭素源は割と身近にある物質の様ですし、
常在している何かをエネルギーにして、
特定の生物が勢力を伸ばそうとするのは自然の摂理なのかも。

ある程度熟成させた水槽で生体系が安定した状態から使い始めるのが、
最もリスクが少ないのかもしれません。

 

後はやっぱり酸欠に注意
1日当たりの添加量を増やし過ぎるとちょっとヤバいかも。

 

水量の少ない小型水槽は、
規定量を守ってゆっくり下げていった方が良さそうかな?と感じます。

 

 

・・・以上、
NO3:PO4-X導入事例 ニッソーアクリルタンク海水水槽編でした。

 

 

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4件のコメント

  • こんばんは!

    私の場合ですが、炭素元投入とセットでZEOBaKも添加しています。

    記事に書かれてますが、炭素元はいろんな微生物の栄養となるので、増やしたいバクテリアも同時に投入する方が効果がより良く出そうな感じ(^^;;

    しかし、スポットマンダリンに癒される〜。
    私も入れたいと思いますが底物系は暫く封印です(つД`)ノ

    • まき

      ムコタマさん、こんばんわ^^

      増やしたいバクテリアを入れてから添加すれば、
      それらが活性化して良い環境を作れるかもしれないですね。

      コペが急に増えたのは餌になる微生物が増えたせいなんでしょうか?
      眼に見えない微生物の攻防は興味深いです^^

      ZEOBakも気になったんですけど小型水槽だと添加量が微妙で(汗
      海水で希釈しないと使えなそうなのでロスが多そうなんですよね~。

      家のバクテリアは、ばくとさんどベースなのでばちるす&ばくとかな?
      色々なバクテリアが増えた方が安定しそうですよね。

      底物系は良い初期状態の生体に出会えるかどうかが大きいと思いますよ。
      ショップでたまたま見つけた生体の方が長生きしてくれるかもです^^

  • こんにちは!
    アクリルタンクもいい感じですね(´ω`)ノシ

    マンダリンちゃんやスジエビちゃんたちも元気でよかったですw
    コペポーダも発生して喜んでもらえると良いですね(´ω`)

    酸欠、やっぱり起きるんですねー;
    私も添加量には注意しないとOTL
    メイン水槽には半分、30cmOF水槽には規定量を入れてます(´・ω・`)

    そして気が付いたら水槽にお魚入れてる…というのは良く分かりますw
    私もそれをやっていて、気が付いたら水槽が沢山に…。
    お、お気を付け下さい!w

    • まき

      めておさん、こんばんわ^^

      硝酸塩もちょうどいい感じになりましたし、
      コペポーダやゾウリムシみたいな微生物が増えて
      いい感じになってます♪

      そうなんですよね^^
      やっぱりスペースがあるといい生体を見つけた時に
      水槽に入れたイメージが湧くのでヤバいです。
      気を付けないとですねw

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